セルマー・パリは1935年に正式に「バランスド・アクション(Balanced Action)」を発売しました。これはセルマーにとってもう一つの大きな飛躍であり、1920〜30年代にアメリカ製サクソフォンが大人気だったことへの一種の対抗策でもありました。
このモデルは全体的にボア(管の内径)が大きく設計されており、より少ない息の力で大きな音量を得ることができます。また、セルマーのサクソフォンとしては初めて、ベルキー(低音キー)がベルの右側にまとめて配置されるようになりました。この配置はその後、ほぼすべての現代サクソフォンの標準スタイルとなりました。
当時の広告では、「25%速く演奏できる」といったキャッチコピーで、バランスド・アクションのキーアクションの速さが強調されていました。
このモデルは非常に人気が高く、長期間にわたって製造されました。
**「スーパー・バランスド・アクション(Super Balanced Action)」**はその後、1946年に登場し、最後のバランスド・アクションは1948年ごろに生産終了となりました。
セルマーは短期間ですが、バランスド・アクションの本体にラジオ・インプルーブドのキーワークを組み合わせたサクソフォンも製造していました。これは「ジミー・ドーシー・モデル(Jimmy Dorsey Model)」として別枠で知られています。
出典:Saxophone Museum